正しいGoogleの叩き方(←釣りタイトル)

Googleストリートビューは実に不思議だ。なぜ、あんなにも問題が起こることが最初から予想できるサービスを膨大なコストをかけてやったのだろう。なぜ、はじめは東京の渋谷区だけお試し公開したりして、意見を聞いたり根回ししたりして、少しずつ表示範囲を広げるようなアプローチをとらなかったのだろう。

いやGoogleだけじゃない。これまでNapsterMuxtapeやcrunchyrollみたいな、どう考えても違法か違法スレスレのサービスが、米国で堂々とスタートアップしていくのを不思議な思いで見てきた。考えてみればYouTubeだってそうだった。
当然そういった企業は訴えられたりするのだが、彼らはそこですみませんと引っ込むのではなく、なんとか合法にしようとする。サービスの方向性を少し変えたり、権利者と話をつけたり、なんだったら法律の不備を訴えたりする。日本でそんなことするのは、ひろゆきぐらいだ。

そういった米国企業の考え方が、以下のエントリーを読んで少し分かった気がする。

アメリカ人は「法は人に支配されるものであり、環境に合わなければ変えればよい」と考え、日本人は「法は絶対的なものであり、これを守ることは正義である」と考え、そして、中国人は「法より、法を作る人間の方が偉い」と考えていると述べている。

Chris Dingの思惑ブログ > アメリカ人、日本人、中国人の法意識 : ITmedia オルタナティブ・ブログ

つまり彼らの発想は、「自分は世の中のためになるサービスをやっているのだから、これが違法だとしたら法律の方が間違っている」という自信に裏打ちされているのだろう。

Googleストリートビューで違法性の証拠を持ち出して批判しても、いまいち伝わっていないっぽいのはこれが原因にあるように思う。そうではなくて、「あなたのサービスのせいで不幸になっている人が大勢いるよ。それってevilだよね」というスタンスの方が彼らに対しては説得力があるんじゃないかなと思った。