面接はプレゼンだ 〜 技術者が上手に転職する方法

aike2010-05-22

これまで何度か転職を経験している。また転職希望者の面接官として多くのソフトウェア技術者を面接してきた。そして分かってきたことは、多くの技術者がうまくアピールできていないなあ、ということ。実にもったいない感じがする。
多くの技術者は真面目なので、自分の能力について冷静に分析し、面接で聞かれたことに対して自然に思ったことを答えて自分をアピールしているように見えるが、それは効率が悪い。本当に分析すべき対象は相手先の企業だ。
 
ポイントはただひとつ。面接はプレゼンだ、ということを意識すること。
だからキーノートやパワポのスライドを作るようにエントリーシートを書くべきなのだ。
 
まず、テーマは「人材採用のご提案」とする。(←ほんとにエントリーシートに書いちゃだめだよ)
 
そしてプレゼンのストーリーをこのように頭の中で組み立ててみよう。
 (1) 現在、○○業界はどのような状況にあります
 (2) その中で御社は今後このように事業展開しようとしているように見受けられる
 (3) ついては、今後このようなスキルの人材が必要になるでしょう
 (4) 実はそのような人材に心当たりがあります → それは私です
 
もちろん面接の形式なので、上の項目のうち聞かれるまでは言わない部分もあったりもするが、基本的にこの流れに沿ってライトニングトークのつもりで喋ると良い。提出する資料についても体裁は履歴書や職務経歴書かもしれないが、すべてこのストーリーに沿って書いておく。嘘を書くわけじゃないよ、本筋に関係のある項目については詳しく、関係の無い項目はあまり書かないということ。
また、どう頭をひねってもこのストーリーに乗せられないようであれば、たぶんあなたはその企業に採用されたとしても能力を生かせないのでやめたほうが良い。
そして、このプレゼンにあたっては、業界動向、受ける企業の強み、弱み、戦略などについて十分研究し分析しておく。 
 
自分の経験をひとつ書いてみる。
転職のきっかけは新聞記事だった。
当時、所属している会社の経営が怪しい雰囲気になってきたので(このへんを感じ取る嗅覚は大事)転職を考えはじめた頃、目にした新聞にちょっとした記事が載っていた。それは、とある外資系コンサル企業が地方都市に比較的大きな拠点を新たに作るという記事だった。
まだ求人もしていないタイミングだったが、これはチャンスと思ってとりあえず本社窓口宛にコンタクトしてみることにした。そのときのストーリーとして、地方都市でいきなり大きな事業展開をするには、その地域の業界事情に詳しいリーダークラスの人間が何人か必要になるはず、ということを考えた。
幸い興味を持ってもらえたようで、その後面接で自分としてはこのように考えていると話をした結果、その会社から採用の案内をもらうことができた。
 
もう一度書く。
面接はプレゼンだ。
転職活動は営業だ。
自分の転職したい企業をアタックリストにして営業を仕掛けていくのだ。
顧客のニーズを正確に把握できたらきっと転職は成功する。
 
And one more thing...
とまあ、ここまで書いといてなんだけど、ほんとにおすすめは技術者の知り合いを多く作って、その紹介で転職することなんだけどね。