元SIerのエンジニアが選ぶべき方向性
大きな目標を立てることは立派なことだけれども、これは、戦国時代に例えるならば、すべての武士に対して、信長や秀吉を目指せといっているのと同じくらいに難しいことのように思われます。しかし、一方で、政治の表舞台には登場しなくても、裏方として活躍した軍師や忍者として活躍したような人もたくさんいたと思われます。そういう忍者たちは、表向きの身分こそ低くても、自分の剣術や諜報スキルを磨くことで、大名に信頼されて、戦略上重要なプロジェクトを任されていたのではないでしょうか。
日本のユーザー企業は忍者のようなプログラマーをもっと登用して重用すべきでは − 達人プログラマーを目指して
僕も数年前にSIerから転職してウェブサービスとかいろいろやる会社に入ったものの、日々苦労してるのでこういった記事やその元記事はすごくリアリティがあります。たまに当時の同僚と会ったりしても、みんなそれぞれ必死で生き延びる道を模索していたりします。
そんなわけで今回は、特にSIの世界から飛び出そうとしている人たちに向けてこれからのエンジニアが生き延びるパターンをまとめてみました。
1.トッププレイヤー
GoogleやグリーやDeNAのような超勢いのある企業に転職するようなタイプ。突出した技術力を持っていて、それをきちんとアピールできることが必要です。技術力に自信があるならこれを目指してほしいと思います。
2.エバンジェリスト
最近は技術を広める活動自体が本業という人も増えてきたようです。企業に属していたりライターだったりさまざまですが、しっかりした技術力の基盤がある上で説明能力をはじめ総合的なコミュニケーション能力が必要になります。
3.トレンドサーファー
時代の移り変わりに応じてその都度需要の高い技術を身につけて生き延びるタイプ。昔業務システムをやっていたけど今はソーシャルゲームやスマホアプリを作ってるという話は僕の周りでもよくききます。これには、過去に身につけた技術にこだわりすぎず、どんどん新技術を吸収していく柔軟さが必要です。背後から迫り来るレッドオーシャンに捕まらないようにしながら20歳くらいの若いエンジニアと同じ条件で競い合って勝ち抜く覚悟が必要です。
4.プレミアムスペシャリスト
今はただのスペシャリストだというだけでは厳しくなってきています。しかし本当に希少価値のあるスペシャリストであれば重宝される現場はあります。世界に20人くらいしかいないようなニッチな技術を修得しているとか、あるいは○○と××の両方がわかるのはこの人、みたいな複合的なものでも良いです。これはSI時代にあれほど悪とされた属人化を逆に強みとするということです。逆説的ですが、あまりにも古すぎるレガシーシステムのメンテもプレミアム技術として当面活躍の場があったりします。
5.マルチプレイヤー
かつてスーパーSEと呼ばれるような人が何人もいました。SEとしての能力はもちろん、チームの状況によってはプログラマーのヘルプに入ったり、必要に応じてマネージメントや営業に近いこともこなしてしまう。そういった人はやっぱりどこへ行っても重宝されます。ただし、わかりやすい一芸ではなく総合力で勝負するタイプは、大きな会社よりも小さな会社やスタートアップ企業の方が評価されやすいし能力も発揮しやすいと思います。
最後にひとつ大事なことですが、時流への柔軟な対応力は上記のいずれの場合も不可欠です。5年前の技術や経験則はもはや役に立たないものとして常時あらたに学び続ける姿勢が必要だと思います。
そんなわけで、頑張ってサバイバルしていきましょう。