IR録ろうぜ!2
DTMでよく使われるコンボリューションリバーブやアンプシミュレーターは、現実世界の音響的特徴をWAVファイルのかたちに記録したIR(Impulse Response、インパルス応答)を使って周波数特性や残響をシミュレートします。
最近はWeb Audio APIにもコンボルバーがあるので、気軽にIRを使える環境も広がってきたように思います。
IRファイルはDTMソフトウェアに付属するものから出自の怪しいものまでいろいろありますが、安心して自由に使えて再配布可能なものとなると意外と少なかったりします。
そんなわけで、IRファイルを自作してしまおうというのが今回の主旨です。
実はかなり前にプラグインエフェクトからIRを録る手順についてブログに書いたことがあります。今回は実際のアンプからマイク録りしてIRを作ります。
音響工学的な正確さを求めなければ、すごく簡単に作れるのがわかると思います。
このとき作ったIRファイルがこちらです。
ir_impulse.wav
ir_sweep.wav
これらをギターの音にかけてみます。
これが元のギターの音。かなりライン録りくさい感じがします。
クラップ音から作ったIRをかけた音。なんだかちょっとクセのある音ですがアンプっぽくなりました。手を叩いた時の残響が混ざって少しルームリバーブがかかったような音になっています。
スイープ音から作ったIRをかけた音。小型アンプとはいえマーシャルの特徴がけっこう出てると思いませんか。
IRはそれ自体がWAVなのでIRの波形を加工して残響成分を増減したりEQをかけて整えたりすることもできます。
また、本来IR目的ではない音のWAVファイルをIRとして使って特殊な音を作るようなクリエイティブな方法もあるので自由な発想でいろいろ試してみてください。