iPhoneは黒船じゃなくて出て行くための移民船だというお話
ソフトバンクモバイルが7月に発売した米アップル製の高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)3G」の販売が、予想外の苦戦となっている模様だ。
iPhoneが当初の予測よりも売れていないという報道が増えてきました。まあ鳴り物入りで登場したりして、日本の携帯電話のシェアを塗り替える黒船としての役割を期待されていたところもあったので、蓋を開けてみれば意外と普通だったといったところでしょうか。そんなアップルやソフトバンクの思惑とは別なところで、国内で売れようが売れまいがiPhoneがすでに重要な役割を果たしていることにソフトウェアエンジニアの人達は気づいていると思います。
それはつまり、日本の携帯アプリ開発者が世界の市場を相手にするための道筋を作ったということです。これまで国内だけをターゲットに腕を競っていたエンジニアが、PCの世界と同じように国内でも海外でも利用できる携帯アプリに取り組めるようになったのは大きなブレイクスルーです。Objective-Cが、J2MEにもBREWにも似ていないといっても大きな問題ではないでしょう。メモリ容量やCPU速度に制約のある中でいかに使いやすいアプリを開発するかというノウハウは普遍的です。むしろそういった制約条件がある方が日本人の得意分野かもしれません。
ガラパゴス化した国内キャリアの世界で、身内受けの凝り性文化で進化しまくって、ちょっと停滞感さえ感じてきた日本の携帯アプリですが、これからは開発者がどんどん海外に出て行き、大きな市場でその技術力を発揮できるようになったというのは考えるだけでわくわくします。